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人生の別解をさがして

塾バイトを5年やって思ったこと。

結論:塾の先生はまったくもって偉くない。塾は結局のとこ勉強を教える託児所である。講師はその職員。

 

目次

 

《給与編》

・額面では時給2000~3000円だが、付帯業務を含めると費用対効率はそこまで良くはない。予習をしなければ効率よく稼げるが授業の質が下がって成績が落ち、授業から外される可能性がある。

 

・週6・7でシフトを入れることも可能だが、やりすぎると扶養超える。週2~3で1日1~2時間程度やれば、諸々込で月6~7万円は稼げる(時給2000円想定)のでそれくらいで入れば最低限不自由しないのでは。まとまった金が欲しいなら講習会でガッツリシフトを入れれば翌月9万~10万円は稼げる。(例)私の場合は1日1~2時間×週4×4週(計24時間)で入れると交通費と事務手当込みで大体月7~8万くらい。

 

・塾バイトの志望動機はほとんどの場合給料がいい事だが、それは業務の大変さに比例しているから。かといってシフトを入れなすぎる(週1~2)とほぼ稼げない(週2でも月3~4万行かない時ある)ので、最低でも週3は入れないとまとまったバイト代は手に入らない。

 

《適性編》

・基本立ち仕事で授業中は気が抜けないため肩や足、精神面での負担は他のバイトと比較すると大きい。肉体的、精神的にプレッシャーに強い人でないと講師職を続けていくことは困難。

 

・個別と集団は全く別。集団の方が給料は高いが業務が多く、責任は重いと思う。個別はやったことないから分かりません。座ってるイメージがあるのでそこは楽だと思う。

 

・周りの専任(社員)講師、バイトと仲良くなれない人=コミュニケーション能力がない人は苦労する。1人ではどうにもならないレベルの仕事が来た場合、誰かに負担してもらう必要があるから。そこまでシフトに入らない人はコミュニケーションは最低限で構わないが、校長や直属の上司とは話す必要がある。なんかの動画で塾講師は人気がなければコミュニケーション不要みたいなことを言っていたがそんなことは全くもって無いです。

 

・保護者とのコミュニケーションの機会もあるため、最低限のマナーは必要。クレームはバイトではなく校長や本社に行くため対応を間違えると大変なことになる可能性もある。電話対応や敬語は改めて勉強し直した方がいい。

 

・生徒がうるさい時「喋るな」と怒鳴ってしまう人は、個人的に塾の先生に向いてないと思う。子供に対して大人が怒鳴ってどうしたいのか分からない。その場では怒鳴って黙らせてもまた同じことを別の先生の前ではやっている訳で、1週間もすればまた騒ぐ。どうすれば未来永劫その生徒が静かになるのかを考えて指導するべき。

 

《教務編》

・教科書を読むだけなら生徒の親でもできるので塾講師は必要ない。付加価値は受験にどう活用するかを解説できるかにある。と考えると授業の質が高くなる。学校の先生(公務員)に必要とされるわかりやすく教える力よりも、知識と受験の問題のギャップを言語化する能力のほうが大事。

 

・(高校受験塾の場合)自分のレベルにあっていなくてもレベルの高いクラスに配属してもらう方がいい。下のクラスは本当に「子供」なので手に負えない。上のクラスは比較的話を聞いてくれる。小学生は上級生でも子供なので学年は関係ない。

 

・教え方を磨くよりも過去問やテキストの問題を解きまくって自分なりの解法のコツを探す方が授業の質が上がる。また喋ってばかりだと生徒が授業に集中しなくなるため適度に質問する必要がある。自分が解いた時につまずいた場所について聞くと意外な答えが返ってきて面白い。質問の難しさも下のクラスだと下げなければいけないため、やはり上のクラスを担当することが大事になる。

 

・原則下をすくいあげるよりも上に対応した授業をするほうが儲かる。下のクラスの生徒が受かるような学校は合格実績にならないため、塾全体の儲けにつながらない。複数クラス持つ場合は上の授業対策をメインにして下のクラスは流す意識をもった方が疲れないし効率もよい。

 

・私の場合、授業を流す時は、提出物の確認や伝達事項を確実にした後、演習時間を多めにとる。解説はテキストの答えから発展させ、質問する時は座席順に2択から3択の質問をしていく。生徒に考えさせるだけ時間の無駄なので、少しでも止まったら次の生徒を指名する。このようにルーティンを作ることで、授業時間があっという間に終わる。

 

《事務編》

・講師職のメインは授業だが、それに付帯する事務をするときがある。スピーディーかつ正確にが基本。ルーティンを作って体に覚えこませることが第1。

 

・校舎には講師だけではなく事務と呼ばれる人がいる。電話対応や書類管理をしている。事務仕事は基本その人たちに任せればいいのだが、講師がやらなければいけないものもある。もちろん給与が発生するので、もし事務仕事が発生した場合は所定の手続きを必ずすること。ほかのバイトと違ってシフトの時間全てに給与が発生するバイトではないため、金にならない仕事は絶対にしない方がいい。

 

《やりがい編》

・時給2000円以上の塾で毎月1日1.5時間以上、週4以上で入れば、授業時間24時間~30時間で確実に8万円以上は稼げる。講習会のシフトにフルではいれば次の給料は10万円を確実に超える。給与をやりがいにすることは十分に可能なアルバイトだと言えるだろう。ただし扶養から外れないように注意。

 

・生徒の成績を上げることがやりがいになる人も多い。私も給料3成績7くらいで、成績をあげることは楽しかった。ただし、集団の場合1人の生徒の成績を上げるのはほぼ不可能なので、クラス全体の成績を上げにかかった方がいい。落ちこぼれは勝手に下のクラスに落ちていくので世話する必要はない。むしろ下のクラスの優秀者の面倒を見た方がいいし私はそうした。同様に自分のクラスが1番上じゃない場合はトップ層は勝手に上がっていくので、上のクラスの下と常に成績を比較していつでも送り出せるようにしていた。落ちこぼれを育てたい人は個別やった方がいいと思う。

 

・ほぼいないと思うが、塾アルバイトは異性の講師や事務との出会いの場になる可能性も含んでいる。2021年6月現在はコロナ禍なので飲み会は開きにくいが、今後そういった目的で塾アルバイトを始める人もいるかもしれない。正直勝手にしてくれと言ったところだが、アドバイスするなら、塾でアルバイトをする異性(私男なので女性)は基本的に真面目な人が多い。アプローチしたいなら

1.日々の業務にしっかり取り組んで周囲に真面目なイメージを持たせつつ、塾の空間でコミュニケーションを適度にとって異性と会話することに違和感を持たせないようにする

2.ある程度1を続けた後(出来れば半年以上)自分の真面目なイメージを崩さないよう接触頻度を上げつつ距離を縮める

3.親密度が高まったら食事やお出かけに誘ってみる

というステップをふむのがオススメ。まあ社内恋愛は色々大変なので他で見つけた方がいいと思う。

 

《まとめ》

塾バイトは額面での給料が高いが、授業以外にも様々な業務があって他のバイトに比べると大変。しかしやりがいも多く、気になった人はとりあえず申し込んだほうがいい。ただし合わないと思ったら授業に組み込まれる前に即辞めるべき。